免疫療法
膵臓がん:膵臓がんに対する個別化mRNAワクチン
コロナで有名になったmRNAワクチン。
今回、膵臓癌に対する臨床治験の結果がNature誌に発表されました。
膵管腺がん患者16人に対するアジュバント療法として、autogene cevumeran(個別化mRNAワクチンの一種)を投与し、化学療法と免疫療法を併用しました。
結果:
患者の50%で、強いT細胞応答が観察され、このワクチンが免疫応答を誘導することが示されました。18カ月間の経過観察の後も、患者において強い免疫応答が観察されたことと、再発するまでの期間が延長したことがわかりました。
mRNAワクチンは、樹状細胞に取り込まれ、リンパ節でキラーT細胞を活性化して効果を発揮するメカニズムはコロナワクチンと同じです。
樹状細胞は、私たちの免疫療法でも中心的な役割をはたしてます。将来は、樹状細胞ではなく、mRNAの投与によるワクチン治療へと進化する可能性もあります。今後を期待しています。
プレシジョンクリニック名古屋院長
岡崎監修
【監修者】岡崎 能久
大阪大学医学部を卒業後、同大学院の修士課程を終了したのち、関西地方を中心に医療に従事、現在はプレシジョンクリニック名古屋院長として活躍中。専門は内視鏡診断および治療・研究開発。日本内科学会認定医や日本消化器病学会専門医、日本医師会認定産業医などの認定医を保有。
略歴:
2001/3
大阪大学医学部卒業
2001/6
大阪大学医学部附属病院内科研修医
2002/6
大阪厚生年金病院 内科 研修医